NBERの役割や判断基準、過去の主要な経済危機の事例を交えて、景気後退期の真相に迫ります。
こんにちは、『ソフトランディング』は無いだろうとパウエルさんを疑っていたバンコクで修業中です。
8月2日に発表された米国の7月雇用統計以降、リセッションに関する議論が活発化しています。
あまり聞きなれない、サーム・ルール・リセッション指標が0.50のしきいち値を超えました。
過去の経験則からリセッションの初期段階を示唆する可能性が出てきました。
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先週から急に『リセッション』の文字を見かけるわね。そもそも、誰がリセッション入りしたとか宣言するの?『梅雨入り宣言』みたいにお役所の人が発表するの?
米国経済の健康状態を測る上で、「リセッション(景気後退)』という言葉は非常に重要です。
しかし、このリセッションがどのように認定されるのか、そしてこれまでどのような歴史を辿ってきたのか、詳しく知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。
一緒に学んでいきましょう。
リセッション認定の主役:NBER(全米経済研究所)
米国では、リセッションの公式な認定は全米経済研究所(NBER)という民間の非営利機関が行っています。
一般的には、実質GDPが2四半期連続でマイナス成長となった場合を「テクニカル・リセッション」と呼びますが、NBERはより包括的な判断を行います。
NBERのリセッション判定基準は以下の通りです:
- 経済活動全般にわたる「相当な下降局面」であること
- 数カ月以上持続すること
- 実質GDP、鉱工業生産、雇用、実質個人所得、製造業・卸売・小売の実質販売高などで明確な下降が見られること
興味深いのは、NBERが景気後退の開始と終了を事後的に判断することです。
通常、リセッション入りの判定は実際の景気後退から6〜18カ月後になされます。
判定結果を、景気後退の6〜18ヶ月後にする意味がわかりません。歴史を辿る時に、あの時はリセッションだったと確認するためなんですかね?
過去のリセッション:歴史から学ぶ
1900年以降、米国は22回のリセッションを経験しています。
近年の傾向として、リセッション期間の短期化とリセッション後の景気拡張期間の長期化が見られます。
第二次世界大戦以前のリセッションの平均期間が約18カ月だったのに対し、戦後は約10カ月に短縮されています。
これは、経済政策の進化や金融システムの安定化などが要因として考えられます。
近年の主要なリセッション
- 2001年のITバブル崩壊:
このリセッションは比較的短期で、8カ月で終了しました。
- 2008年の金融危機(リーマンショック):
この時期の株価下落率は約55%に達し、過去最大規模となりました。
- 2020年の新型コロナウイルスショック:
わずか2カ月という短期間でしたが、NBERはリセッションと判断しました。
リセッションと株価の関係
リセッション期間中、株価は一般的に下落傾向にあります。
過去のデータを見ると、下落率は約30%〜60%の範囲に収まることが多いようです。
しかし、株価は先行指標であることに注意が必要です。「リセッション入りした」という発表を受けてから株価が下がるのではなく、「リセッション入りしそうだ」という投資家心理によって株価が下がる傾向があります。
リセッション認定のタイミングと影響
NBERのリセッション認定は、経済活動全体の実態を基に行われるため、発表までにタイムラグが生じます。
例えば、2001年11月にリセッションが終了したと判断されたのは、2003年7月16日でした。
このタイムラグは、政策立案者や投資家にとって課題となる場合があります。
リアルタイムの経済状況を把握するためには、GDPだけでなく、雇用統計や消費者物価指数などの指標を総合的に見る必要があります。
投資家への示唆
リセッション時期の投資戦略としては、以下のようなアプローチが考えられます:
- 安定資産(国債や金など)への分散投資
- ディフェンシブ銘柄への投資
- 積立投資の継続
ただし、最も重要なのは、「リセッション」という言葉に惑わされず、自身で経済指標を分析し、判断することです。
まとめ
米国のリセッション認定プロセスは、NBERという独立機関によって慎重に行われています。
過去の事例を見ると、リセッションの期間や影響は時代とともに変化していることがわかります。
投資家にとっては、リセッションという言葉そのものよりも、その背後にある経済の実態を理解することが重要です。
GDPだけでなく、雇用や生産、消費などの指標を総合的に見ることで、より正確な経済状況の把握が可能となるでしょう。
リセッションは確かに経済にとって試練の時期ですが、同時に新たな成長の機会でもあります。歴史から学び、適切な準備を整えることで、この荒波を乗り越えていきましょう!
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