こんにちは、バンコクで修業中(@lukehide)です。
『バブル』と聞くと、古巣のシスコ・システムズが象徴だった『ITバブル』を思い起こします。同僚の多くは自分のストックオプションと株価をエクセルで管理していて、株価が上がって行く度にバカ騒ぎしていました。
管理人もシスコ在職中に、4,000株のストックオプションが最高値80ドルから10ドルに暴落する地獄を経験しました。
バンコク:ん、昔のシスコみたいなもんだよ(ひろこまで知ってるなんて、バブル崩壊も近いな…)。
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テクノロジーの世界は、常に新たな革命の波に揺れています。そして今、私たちは人工知能(AI)という巨大な波の中心にいます。この波の頂点に立つのが、半導体企業エヌビディアです。その驚異的な成長と市場評価は、多くの人々に2000年代初頭のITバブルを思い起こさせています。
当時、ネットワーク機器大手のシスコ・システムズは「インターネットの王者」として君臨し、その時価総額は米国GDPの5.5%にまで達しました。しかし、エヌビディアはそれをはるかに上回る成長を遂げ、その時価総額は現在の米国GDPの11.7%に相当するまでに膨れ上がっています。
この数字が示すのは、単なる企業の成長だけではありません。それは、AIに対する市場の期待の大きさ、そして私たちの社会がAIによってどれほど変革されうるかという可能性への信念を表しているのです。しかし同時に、この急激な成長は、バブルの危険性も示唆しています。
過去のITバブル崩壊から約四半世紀。私たちは再び、技術革新がもたらす熱狂的な市場の動きを目の当たりにしています。過去のITバブルの象徴であったシスコと現在のエヌビディアを比較することで、AIバブルの実態と潜在的なリスクを探ってみましょう。
バブルの規模:GDP比で見る異常な成長
まず、両社の時価総額のGDP比を比較してみましょう。
企業 | 時期 | 時価総額のGDP比 |
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シスコ | 2000年(ITバブル絶頂期) | 5.5% |
エヌビディア | 2024年(現在) | 11.7% |
この数字が示すのは、単なる企業の成長だけではありません。エヌビディアの現在の評価が、かつてのITバブル絶頂期のシスコをはるかに上回る規模であることを明確に示しています。これは、AIに対する市場の期待の大きさ、そして私たちの社会がAIによってどれほど変革されうるかという可能性への信念を表しているのです。
驚異的な成長の軌跡
エヌビディアの成長は、まさに驚異的です。2024年に入って株価は190%以上上昇し、時価総額は3兆ドルを突破しました。この数字は、ロシア、韓国、オーストラリアなどを含む多くの国のGDPを上回っています。
一方、2000年のシスコも同様に急成長を遂げました。1995年から2000年の間に売上高を約850%増加させ、約190億ドルにまで成長しました。
バブルの兆候:過度な期待と評価
両社とも、技術革新への期待から市場で過大評価される傾向がありました。
シスコのケース
2000年3月、シスコは世界最大の時価総額(5000億ドル以上)を持つ企業となりました。しかし、この評価は実態とかけ離れていました。当時のシスコのPER(株価収益率)は105倍という異常な水準に達していました。
エヌビディアの現状
エヌビディアの現在のPERは118倍と、シスコを上回る水準にあります。これは、AIへの期待が非常に高いことを示しています。
バブル崩壊のリスク
シスコの教訓
ITバブル崩壊後、シスコの株価は88%下落し、79ドルから9.50ドルまで暴落しました。興味深いことに、この間シスコの業績自体は大きく変化していません。2000年度の売上高は約190億ドル、2001年度は220億ドル、2002年度は約190億ドルでした。
エヌビディアへの警鐘
エヌビディアの現在の状況は、いくつかの点でシスコの轍を踏む可能性があります:
- 過度な期待: AIへの期待が高すぎる可能性があります。
- 高すぎる評価: エヌビディアの時価総額が米国GDPの11.7%に達していることは、歴史的に見ても異常です。
- 市場の集中: エヌビディア1社で米国市場の時価総額の大きな割合を占めています。
AIバブルとITバブルの違い
しかし、現在のAIバブルには、2000年代初頭のITバブルとは異なる特徴もあります:
- 実需の存在:
エヌビディアのGPUは、AIモデルのトレーニングにすぐに使用されています。 - 収益性:
エヌビディアの収益性は非常に高く、2023年の売上高は609億ドル(9.1兆円)、当期利益297億ドル(4.5兆円)を記録しています。 - 技術の成熟度:
AIは既に多くの産業で実用化されており、その影響力は日々拡大しています。
投資家への示唆
AIバブルの暴走を懸念する声がある一方で、AIの潜在的な可能性を考えると、現在の高評価にも一定の根拠があると言えるでしょう。しかし、投資家は以下の点に注意する必要があります:
- 分散投資: エヌビディア1社に過度に依存しないこと。
- 長期的視点: 短期的な株価変動に一喜一憂せず、AIの長期的な可能性に注目すること。
- ファンダメンタルズの重視: 企業の実際の業績や成長性を慎重に評価すること。
- リスク管理: 高評価株への投資比率を適切に管理すること。
結論:慎重な楽観主義を
AIは確かに革命的な技術であり、エヌビディアはその最前線にいます。しかし、過去のITバブルの教訓を忘れてはいけません。シスコの例が示すように、優良企業であっても、過大評価された株価は長期的に見れば下落するリスクがあります。
エヌビディアの今後の動向は、AI産業全体の行方を占う重要な指標となるでしょう。投資家は、技術の進歩と市場の動きを注意深く見守りながら、AIがもたらす新しい時代に備える必要があります。過度な楽観主義は禁物ですが、同時にAIの可能性を過小評価することも避けるべきです。
バランスの取れた視点を持ち、慎重に、しかし前向きにAI革命に向き合うことが、今後の投資成功の鍵となるでしょう。AIバブルの暴走を警戒しつつ、その中に潜む真の機会を見逃さないよう、冷静な判断力を養うことが求められています。
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