日本居住者が国外転出時1億円以上の有価証券等を所有の場合、含み益に課税する仕組み。
実は、在外邦人でも相続や贈与により対象資産の移転があった場合、課税対象!
岸田増税により、富裕層の海外流出が危惧されていますが、日本の国税も馬鹿じゃありません。
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2015年から有効な『国外転出時課税制度(出国税:Exit Tax)』が存在します。
出国税というのがありまして、いまは海外に移住する時に、1億円以上の有価証券があると、あたかもそれを利益確定したとして、その分の税金をぜんぶ納めないといけないんですよ。逃げ道はすべて塞がれています。 https://t.co/qlRJH9O2li
— Kazuki Fujisawa (@kazu_fujisawa) October 8, 2021
個人が含み益を有する株式等を保有したまま国外に転出し、キャピタルゲイン非課税国(たとえば、シンガポールや香港等)において売却することにより、キャピタルゲインに対する課税を回避することを防止する観点から、2015年度税制改正において国外転出時課税制度(いわゆる出国税)が創設された。
KPMG:国外転出時課税制度(出国税)(Exit Tax)
いわゆる、タックスヘイブンでの課税逃れを防止するのが目的という事です。
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そもそも、この制度が出来上がったきっかけとなったのは…
1999年、当時、消費者金融最大手であった武富士の創業者は自身が所有する武富士株をオランダの資産管理会社に売却、その後、オランダの資産管理会社の株式を香港に住む長男に贈与しました。当時の法律では日本の非居住者が国外財産を贈与によって取得した場合、日本の贈与税は課税されないこととなっていました。
これに対し国税は異議を唱え、香港に移住した後の3年半のうち、2/3以上は香港、1/3未満は日本で生活しており、完全に移住していたわけでなく、租税回避を目的としたものだと主張しました。その後、2005年に国税が長男(武富士)側に1,600億円の追徴課税を課し、最終的に裁判に発展しました。
結果的に、2011年に最高裁が長男(武富士)側の主張を認め、加算金を含めた約2,000億円が長男側に還付されました。国税の完敗となりました。
これで海外での売却益への課税逃れは防止できました。
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でも、厄介なのは、海外在住の日本人でも相続や贈与により受け取った場合にも課税義務が発生するので、注意が必要です!
日本の「国外転出時課税制度」について【国税庁からのお知らせ】
在ニューヨーク日本国総領事館
国外転出時課税制度
国外転出時課税制度(贈与・相続)
申告手続き等
また、「国外転出時課税制度(相続)の対象となる方(=被相続人等)」の相続人等は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に、被相続人等に係る日本の所得税及び復興特別所得税の(準)確定申告書の提出及び納税を行う必要があります。
なお、納税管理人の届出など一定の手続きを行うことで、納税猶予や税額を減額するなどの措置を受けることもできます。
詳細は国税庁のホームページで
また、国税に関する一般的なご相談は、「税についての相談窓口」をご利用ください。
管理人のつぶやき
管理人は、1億円を超える有価証券を保有しているわけでもありませんし、そんな富裕層の親類もいませんので、安心です…
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この『国外転出時課税制度』の対象有価証券等に『仮想通貨は含まれない』というのが気になります。
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当然、管理人が1億円以上の仮想通貨を保有しているわけではありませんが、世の中にはそんな奴らはゴロゴロしているだろうから、網を潜って海外逃亡を図る奴は出てくるでしょうね…
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