こんにちは、雇用統計の結果で『円高が急速に進む』と願っていたバンコクで修業中(@lukehide)です。
今回の雇用統計の結果は、想定内の数字で大きな波乱は起きませんでした。ただし、FRB理事からの発言により、金利が急低下しドル円が一時141円台に突入するなど、マーケットに動きが出ています。
今後の焦点は、次回のFOMCで25bpsの利下げか、一気に50bpsに踏み切るのか?さらには、年内で何%の利下げが見込まれるのかなど、市場に大きな影響を及ぼすネタが満載です。
雇用統計が示す経済の現状
2024年9月6日に発表された米国の雇用統計は、経済の微妙な変化を示しました。
非農業部門雇用者数は前月比14万2000人増と予想を下回りましたが、失業率は4.2%と前月の4.3%から小幅に低下しました。この数字は、労働市場が緩やかに軟化していることを示唆しています。
雇用の伸びの鈍化
雇用の伸びが予想を下回ったことは、経済活動の減速を示唆しています。しかし、失業率の低下は労働市場がまだ健全であることを示しており、FRBにとっては複雑な状況を生み出しています。
賃金上昇率の変化
賃金の伸びは、FRBが2%に設定するインフレ目標に整合する形で鈍化しているとの指摘もあります。これは、インフレ圧力が徐々に和らいでいることを示唆しています。
FRB理事たちの発言分析
雇用統計の発表を受けて、FRBの複数の理事が重要な発言を行いました。特に注目を集めたのは、ウォラー理事の発言です。
ウォラー理事の積極的な姿勢
ウォラー理事は、FRBが9月の会合で利下げを開始する「時期が来た」と明言しました。さらに、利下げの幅やペースについては柔軟に対応していく姿勢を示し、経済指標が裏付ければ大幅な利下げも支持すると述べました。
「忍耐」から「行動」へ
ウォラー理事は、FRBの政策の焦点が物価安定から完全雇用に移行する中、もはや「忍耐」ではなく「行動」が必要になっているとの考えを示しました。これは、FRBが積極的な金融緩和に向けて動き出す可能性を強く示唆しています。
他の理事たちの見解
ボストン地区連銀のコリンズ総裁は、インフレ抑制の軌道に確信が高まっていると述べつつ、「段階的かつ計画的なアプローチ」が理にかなっていると指摘しました。これは、慎重な利下げを支持する立場を示しています。
9月FOMCでの利下げ見通し
これらの経済指標とFRB理事たちの発言を総合すると、9月のFOMCでの利下げはほぼ確実視されています。
利下げ幅の予測
多くのアナリストは、9月のFOMCで0.25%の利下げが実施されると予想しています。しかし、ウォラー理事の発言を受けて、0.5%の大幅利下げの可能性も排除できない状況です。
今後の利下げペース
9月に0.25%の利下げを実施した場合、11月と12月にそれぞれ0.5%ずつ政策金利を下げる可能性が示唆されています。これは、FRBが経済支援のために積極的な金融緩和を行う準備があることを示しています。
市場の反応と今後の展望
FRB理事たちの発言を受けて、金融市場は敏感に反応しました。
為替市場の動き
ドル円相場は141円台に瞬間的に下落し、ユーロも対ドルで上昇しました。これは、FRBの利下げ観測が強まったことによるドル売りの動きと解釈できます。
株式市場への影響
利下げ観測の高まりは、一般的に株式市場にとってポジティブな材料となります。しかし、経済の先行き不透明感も同時に高まっているため、投資家は慎重な姿勢を維持する可能性があります。
結論:FRBの新たな政策方針
FRBは、インフレ抑制から経済成長支援へと政策の重点をシフトさせつつあります。9月のFOMCでの利下げは、この新たな方針の始まりを示す重要な一歩となるでしょう。
柔軟性と迅速性の重視
ウォラー理事の発言にあるように、FRBは経済状況に応じて柔軟かつ迅速に行動する準備ができています。これは、従来の段階的なアプローチからの変化を示唆しています。
リスクバランスの変化
雇用とインフレのバランスが変化する中、FRBは経済を支援するためにより積極的な姿勢を取る可能性が高まっています。これは、グローバル経済の不確実性が高まる中で、米国経済の安定を維持するための戦略と言えるでしょう。
今後数か月間、FRBの動向と経済指標の推移が注目されることは間違いありません。投資家や企業は、この新たな金融政策の方向性を見極めつつ、自らの戦略を適応させていく必要があるでしょう。FRBの「大胆な一手」が、米国経済にどのような影響を与えるか、その行方に注目が集まります。
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