こんにちは、バンコクで修業中(@lukehide)です。
「通信料金の値下げ」「携帯電話会社の競争激化」。通信業界のネガティブなニュースが目立つ中で、なぜKDDIは23期連続増配を実現できているのでしょうか。
実は、KDDIには一般消費者からは見えにくい「強さの秘密」があります。5,700万人の顧客基盤、安定した通信インフラ事業に加え、データセンターやIoT、金融サービスなど、次世代の成長分野で着実に実績を積み上げているのです。
配当利回り3.36%という魅力的な数字の裏には、このような地道な成長戦略が隠されています。今回は、通信業界の優良株KDDIの投資価値を徹底的に分析していきましょう。
会社概要
項目 | 内容 |
---|---|
社名 | KDDI株式会社 |
設立 | 1984年6月1日 |
本社 | 東京都千代田区飯田橋 |
代表者 | 髙橋 誠 |
資本金 | 1,418億円 |
従業員数 | 61,288名(連結) |
事業内容 | 電気通信事業 |
KDDIは、auブランドで知られる日本を代表する通信キャリアです。個人向け通信サービスを中心に、法人向けソリューション、金融サービスなど、幅広い事業を展開しています。特に近年は、5G通信網の整備やDX関連事業の拡大に注力しており、着実な成長を遂げています。
経営状況
2024年3月期の業績:
項目 | 金額 | 前年比 | 業界平均との比較 |
---|---|---|---|
売上高 | 5兆7,540億円 | +1.5% | 業界2位 |
営業利益 | 9,616億円 | -10.7% | 業界2位 |
当期純利益 | 6,379億円 | -6.1% | 業界2位 |
営業利益率 | 16.7% | – | 業界平均15.2%を上回る |
2025年3月期の見通し:
- 売上高:5兆7,700億円(前期比+0.3%)
- 営業利益:1兆1,100億円(前期比+15.4%)
- 当期純利益:6,900億円(前期比+8.2%)
株価診断
指標 | 数値 | 業界平均 | 評価 |
---|---|---|---|
時価総額 | 9兆3,327億円 | 3兆円 | 業界トップクラスの規模 |
PER | 13.5倍 | 15.2倍 | 業界平均を下回り割安 |
PBR | 1.8倍 | 1.6倍 | やや割高だが許容範囲 |
ROE | 12.29% | 10.8% | 業界平均を上回る高水準 |
株価 | 4,948円(12月10日終値) | – | 過去1年の高値圏 |
個別指標の詳細評価
時価総額(9兆3,327億円)
- 東証プライム市場で時価総額Top20に入る大型株
- 日経平均株価、TOPIXの主要構成銘柄として組み入れ比率が高い
- 機関投資家の投資対象として十分な流動性を確保
- 株価の安定性が期待できる規模
PER(株価収益率:13.5倍)
- 通信業界平均の15.2倍を下回る水準
- 東証平均16倍と比較しても割安な水準
- 今期予想EPS(1株当たり利益)は319円
- 収益に対して株価が割安な状態を示唆
PBR(株価純資産倍率:1.8倍)
- 業界平均1.6倍をやや上回る水準
- 純資産に対してやや割高な印象
- ただし、ROEが高水準なため、この PBR は正当化できる
- 1株当たり純資産は2,394円
ROE(自己資本利益率:12.29%)
- 業界平均10.8%を上回る高水準
- 資本効率の良さを示す
- 過去5年間で10%以上を維持
- 株主資本を効率的に活用できている証左
株価トレンド分析
- 52週高値:4,535円
- 52週安値:3,785円
- 200日移動平均:4,150円を上回って推移
- 出来高は安定しており、十分な流動性を確保
株主還元の実力
項目 | 数値 | 業界平均 | 評価 |
---|---|---|---|
年間配当金 | 145円(予定) | 86円 | 業界トップクラス |
配当利回り | 3.36% | 2.08% | 東証プライム平均を大きく上回る |
配当性向 | 42.6% | 30% | 業界平均を上回る高水準 |
DOE | 5.71% | 4.2% | 資本効率を意識した還元 |
自社株買い | 3,000億円 | – | 積極的な株主還元 |
配当指標の詳細評価
配当金の推移(過去5年)
- 2021年3月期:120円
- 2022年3月期:125円
- 2023年3月期:130円
- 2024年3月期:140円
- 2025年3月期:145円(予定)
- 23期連続増配を継続中
- 年平均増配率:約4.8%
配当利回り(3.36%)
- 東証プライム平均2.08%を大きく上回る
- 通信業界平均2.5%と比較しても高水準
- 国債利回りと比較して魅力的な水準
- 安定した事業基盤による高配当維持が期待できる
配当性向(42.6%)
- 業界平均30%を大きく上回る水準
- 中期経営計画で40%以上を目標として明示
- 安定した利益に裏付けられた高配当
- 今後も増配余地は十分にある
DOE(株主資本配当率:5.71%)
- 業界平均4.2%を上回る高水準
- 過去5年間で5%以上を維持
- 純資産に対する配当の充実度が高い
- 資本効率を意識した株主還元姿勢
総還元性向
- 配当に加え、自社株買いも積極的に実施
- 2024年度は3,000億円の自社株買いを決定
- 総還元性向は75%超
- 株主還元に積極的な経営姿勢が明確
配当金生活シミュレーション
毎月10万円の配当収入(税引後)を得るために必要な投資額を、ステップバイステップで計算していきましょう。
目標配当収入の設定
ステップ1:年間必要配当金(税引前)の計算
- 毎月の目標金額:10万円(税引後)
- 年間の目標金額:10万円 × 12ヶ月 = 120万円(税引後)
- 配当所得の税率:20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)
- 税引前の必要配当金:120万円 ÷ (1 – 0.20315) = 1,506,270円
必要株数の計算
ステップ2:必要株数の算出
- 予定年間配当金:145円/株
- 必要株数:1,506,270円 ÷ 145円 = 10,388株(切り上げ)
必要投資額の計算
ステップ3:現在の株価での必要投資額
- 現在の株価:4,948円(2024年12月10日終値)
- 必要投資額:10,388株 × 4,948円 = 51,399,824円
投資判断のまとめ
KDDIの投資価値を総合的に評価すると、以下の4つの観点から長期投資に適した優良銘柄と判断できます。
事業基盤の安定性
- 通信インフラという社会基盤を担う事業特性
- 5,700万人以上の顧客基盤
- 安定的な収益構造により景気変動の影響を受けにくい
- 高い参入障壁による競争優位性
成長戦略の確実性
- 5G通信網の整備による収益基盤の強化
- DX関連事業の拡大による新規収益源の確保
- IoT、データセンター事業への積極投資
- 金融サービスなど非通信事業の成長
株主還元の充実度
- 23期連続増配の実績
- 3.36%という魅力的な配当利回り
- 配当性向42.6%の高水準な株主還元
- 3,000億円規模の自社株買いも実施
財務健全性
- 自己資本比率57.2%の強固な財務基盤
- ROE12.29%の高い資本効率
- 安定的なキャッシュフロー創出力
- 格付けはAA(R&I)の高格付
投資にあたっての留意点
- 約5,140万円という必要投資額の高さ
- 通信料金の値下げ圧力
- 設備投資負担の継続
- 競合他社との競争激化
まとめ
KDDIは、通信インフラという社会基盤を担う安定した事業基盤、23期連続増配という株主還元の実績、そして強固な財務基盤を持つ優良企業です。3.36%という魅力的な配当利回りと安定した増配傾向は、配当金生活を目指す投資家にとって非常に魅力的な投資先となっています。
必要投資額が約5,140万円と高額になるものの、長期的な積立投資と配当再投資により、着実な資産形成が期待できる銘柄と言えるでしょう。
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配当利回 (%) |
投資金額 (万円) |
年間配当 (円) |
株価 (円) |
JFE (テ) | 7.3% | 2,055万円 | 140 | 1,917 |
マリモリート(テ) | 5.9% | 2,470万円 | 3,713 | 122,300 |
日本たばこ(テ) | 4.7% | 3,200万円 | 194 | 4,122 |
本田技研工業 | 4.8% | 3,247万円 | 68 | 1,472 |
武田薬品 | 4.5% | 3,280万円 | 196 | 4,271 |
双日(2768) | 4.6% | 3,368万円 | 150 | 3,368 |
アステラス | 4.4% | 3,402万円 | 80 | 1,814 |
NEW SBI HD(8473) | 5.0% | 3,462万円 | 150 | 3450 |
ソフトバンク | 4.3% | 3,481万円 | 86 | 1,996 |
INPEX | 4.2% | 3,750万円 | 60 | 2,150 |
三菱HC |
3.9% | 3,930万円 | 40 | 1,047 |
NEW 三菱商事(8058) | 3.7% | 4,135万円 | 100 | 2,746 |
日本郵政 | 3.5% | 4,205万円 | 50 | 1,401 |
NTT | 3.5% | 4,300万円 | 5.2 | 149 |
三井住友FG | 3.6% | 4,450万円 | 330 | 9,664 |
キヤノン | 3.0% | 5,070万円 | 150 | 5,070 |
野村証券 | 2.9% | 5,230万円 | 23 | 801 |
ENEOS | 2.9% | 5,500万円 | 22 | 802 |
トヨタ | 3.0% | 6,861万円 | 240 | 2,745 |
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