タイの反政府デモが、タブーとされてきた王室改革に踏み込んだ理由
8月10日にタムマサート大学で開催されたデモでは、王室改革10項目の要求が提示された。
10項目の内容は、①国王に対して訴訟を提起できないと定める憲法規定の廃止、②不敬罪の廃止、③国家が管理していた国王財産を国王の私有財産に変更させた法律の廃止、④経済状況に合わせて王室予算を削減すること、⑤宮中組織内の公的部門の廃止、⑥国王の慈善事業に対する寄付の廃止、⑦公共の場において国王が政治的見解を表明する権限の廃止、⑧王室について過大なイメージを構築するようなプロパガンダの廃止、⑨王室を批判して殺害された者に関する真相究明、⑩国王によるクーデタ承認の禁止、となっている。
『タイ式民主主義』は、プミポン前国王のカリスマ性や能力に依存する脆弱な制度。
ワチラロンコン現国王の時代になり、機能不全に陥ったと…
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タマサート大学政治学部客員研究員の水上さんが、時事通信社のコラムで、現在のタイの反体制派の目指す『本質は王室改革』との記事を読みました。
ワチラロンコン国王は、1年の大半をドイツ・バイエルン州の高級ホテルで約20人の愛人とみられる女性兵士に囲まれて過ごし、露出度の高い奇抜な服装で外出するなど、さまざまな「奇行」が見受けられ、国民に「タイ式民主主義」の是非を真剣に考えさせる機会を与えたことは間違いない。加えて現国王は即位以来、国民投票で承認された憲法案を修正させたり、内閣の就任式で宣誓文から「憲法擁護」の部分を抜かせ国王への忠誠だけを誓わせたり、さまざまな権限を強化し、立憲君主制から絶対王政への復帰を着々と進めていたことが、国民の危機感をより募らせた。学生たちは、1932年の「立憲革命」を再び起こすことで国民主権を取り戻そうと決意した。それが今回のタイ民主化運動の本質である。
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以下の【地球コラム】本質は王室改革をご覧ください。
◆なぜ、今、タイで王室批判?◆国王の自由奔放さに若者爆発!
◆タイ王室改革◆長期滞在先ドイツ外相が国王に行動注視すると警告
◆ポストコロナ:賢者に学べ◆プミポン元タイ国王:足るを知る経済
◆タイ王室は世界一裕福◆保有資産4.6兆円は英国王室の80倍◆
【地球コラム】本質は王室改革
記事引用先:jiji.com
今回のタイ民主化運動は大きく誤解されている。当初から学生運動家たちの狙いは「王室改革」であり、反政府運動が王室批判に発展したのではない。単に不敬罪やコンピューター犯罪法などで訴追されることを警戒し、直接的な表現を避けつつ、社会の感触を確かめていただけに過ぎない。ネット上では、数年前から王室批判のメッセージがあふれかえっていたが、現実世界で人々は慎重だったからである。1970年代に冷戦体制下で国王があらゆる領域で強大な権力を握る「タイ式民主主義」が形成されていったが、国王個人のカリスマ性や能力に依存する脆弱(ぜいじゃく)な制度であり、プミポン前国王の時代の末期から限界が見えていた。そしてワチラロンコン現国王の治世下では機能不全に陥った。
タイ反体制派に銃撃か 国会近くで衝突、41人負傷の報道
記事引用先:日経新聞
タイの若者を中心とする反体制派の主要グループ「人民党」は17日、バンコクの国会議事堂近くでデモ参加者が実弾で銃撃されたと主張した。憲法改正を巡る集会を開き、改憲に反対する王室支持派や警察と衝突していた。銃撃の真偽などは不明だが、ロイター通信は銃撃による5人を含む41人が負傷したと報じた。
タイ 憲法改正めぐりデモ隊と警官隊が衝突 緊張高まる
記事引用先:NHK
反政府デモが続くタイで若者を中心とするデモ隊が求める憲法改正の議論が議会で始まりました。議会周辺では18日に予定されている採決を前にデモ隊と警官隊などが衝突し多数のけが人が出て、緊張が高まっています。
タイでは軍の政治への関与に反発する若者を中心に反政府デモが続くなか、デモ隊の要求のひとつの憲法改正を議論する議会の本会議が17日と18日の2日間の日程で始まりました。
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◆日本人のタイ入国は?
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